「いまどき」の長野県の相続・お墓・お葬式のことがよくわかる
2022年11月29日
友引・ともびき
中国の歴法の六曜、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の6種類のうちのひとつ。本来は「勝負がつかない・引き分け」の意味ですが、日本では「友を引く」という解釈で、この日は葬儀を行うこと避けるのが一般的です。ただし六曜は仏教とは関係がないと考える浄土真宗のような宗派もあり、自治体によっては、友引に休業しない火葬場もあります。
野辺送り・のべおくり
遺骸を埋葬地または火葬場まで運び送る儀式、またはその葬列を見送ることをいいます。もともとは葬式のうちのもっとも重要な儀礼のひとつでしたが、クルマ文化の発達とともに、次第に行われることが少なくなりました。
葬列は棺を中心に前後に位牌、天蓋、供え膳、水などを持った近親者がつづき、先頭には松明を掲げた者が立つのが一般的なしきたりです。現在も野辺送りの習慣の一部を残している地域もあります。
灰寄せ・はいよせ
長野県東部、とくに佐久地方における「精進落とし」の呼び方。ほかに「あとふき」「ご苦労よび」などの呼び方もあります。
プロテスタント・ぷろてすたんと
16世紀のいわゆる「宗教革命」でカトリックから分離したキリスト教の各派のことで、とくに福音主義を理念とするキリスト教諸派の総称として使われます。ルター派、長老派など、さまざまな教派があります。
分骨・ぶんこつ
遺骨を2カ所以上のところに分けて納骨すること。分骨する場合は埋葬許可証が分骨する数だけ必要になります。遺族をはじめ、埋葬地管理人の立ち会いのもとでないと、行うことはできません。手元供養のニーズなどで分骨は増えていますが、最終的に「骨は埋葬される」という前提は変わりありません。
菩提寺・ぼだいじ
一家が先祖代々帰依して葬儀や追善供養を営む寺院のこと。「旦那寺」「檀那寺」などとも呼ばれます。一方、菩提寺に帰依している人のことは檀信徒、または檀家といい、両者は「お布施などを介した経済的支援」と「先祖の供養・墓の管理」という関係で、江戸時代の檀家制度・寺請制度以降、長い年月にわたって、強く結びついてきました。
無縁墳墓・むえんふんぼ
承継者、お墓のお守りをする人が不在となったお墓のこと。墓地管理料の滞納が5年程度つづいた場合、官報に記載する、1年間墓所に立て札などを立てて縁者の申告を待つ、などの手続きを経て、それでも名乗りをあげる人がいない場合は、墓地の管理者は無縁墳墓を撤去することができます。この場合、遺骨は無縁塔や合祀墓などに改葬されるケースが多いようです。
木魚・もくぎょ
読経や唱名の際に打ちならす法具。木製で内部がくりぬかれていて、表面には魚の鱗が彫り込まれています。木魚が魚を模しているのは、魚が眠らないものだと信じられていたことに由来し、眠気覚ましや怠惰を戒めるという意味があるといわれています。
喪章・もしょう
人の死を悼み、弔うためにつける黒い布のこと。リボンや腕章など、さまざまな形があります。遺族や葬儀関係者(葬儀社の社員やお手伝いをする人たちなど)が、そうと分かるようにつけるものなので、弔問・参列者はつけません。また、遺族が全員がつける決まりはなく、喪主の家族だけがつける場合が多いようです。一般的には、左腕に腕章を巻くか、左ポケットの上辺りに黒いリボンを安全ピンで止めます。
リビングウィル・りびんぐうぃる
もしも自分が不治の病になったときや、重篤な病気で意識がなくなってしまった場合に、自分らしく死を迎えることができるよう、健康で元気なうちに作成しておく「尊厳死の宣誓書」です。
具体的には「不治の病になった場合は延命措置を拒否します」「苦痛を最大限、和らげる措置を希望します」「植物状態になったら生命維持措置を行わないでほしい」などの要望を明記した書面に日付け、署名、捺印して医師に提出します。
現在、多くの医師が、これに従った治療やケアを行うようになっています。
両家墓・りょうけぼ
ひとりっ子同士の夫婦、ひとり娘の夫婦、長男長女同士の夫婦などが、両家のお墓を一緒にしてたてるお墓のことをいいます。宗派、菩提寺、改葬などの課題はありますが、少子高齢化の現代を反映して、増加の傾向にあるようです。
霊柩車・れいきゅうしゃ
火葬場などに遺体を搬送するための専用の車。宮型、洋型、バン、バスなどがあります。現在は派手な装飾の宮型は少なくなり、キャデラックやリンカーン、クラウンといった洋型霊柩車が主流ですが、葬儀費用の内訳として霊柩車を考えたときに、豪華仕様の霊柩車ではなく、目立たなくて安価な霊柩車を選択する人が増えているようで、今後はワンボックスカーなどの利用が増えるという予測もあります。また、葬儀社が用意する場合と火葬場の所有しているものを利用する場合とでも料金は差があるようです。
なお、遺体を病院などから自宅、自宅から葬儀会場へ移動させる際に使用するクルマは霊柩車とは呼ばず「寝台車」「搬送車」という呼び方をするのが一般的です。
六字名号・ろくじみょうごう
「南無阿弥陀仏」の六文字のこと。浄土宗、浄土真宗で、阿弥陀仏への帰依を表して唱える言葉です。浄土宗、浄土真宗ではこれを本尊の代りに祀ります。また法事のときには「南無阿弥陀仏」の名号の掛け軸を掛ける場合があります。